LANDING
着陸

着陸はこのゲームの中でもかなり難しい作業の1つで、人によっては敵との戦闘以上に苦労するかも知れません。
F-16の重量は自重だけでも9トンほど、燃料や兵装を満載するとその倍にもなります。着陸時でもF-16は250km/h以上の速度が出ているのですから接地時には機体に大きな衝撃がかかることになります。しかしその衝撃をまともに受けるランディングギアは頑丈に作られてはいるものの衝撃が大きすぎると壊れてしまい胴体を地面に強く打ち付けてしまうことになります。そのためパイロットは衝撃がギアの強度を越えない範囲内で機体を降下・接地させなければなりません。
このゲームではこのギアの強度に関してはかなり厳密に扱われているため、すこしでもハードな接地を行なうとすぐにギアが壊れてしまいます。実戦ミッションでどんなに敵機を撃墜し攻撃目標を破壊しても最後の着陸で失敗してはそれまでの成果が台無しになります。そうならないためにも訓練ミッションで確実にセーフランディングができるように練習をしておくべきです。

着陸(接地)の訓練をするにはTactical Engagementから“09 Landing Final Approach”を選択します。
機は高度2,000フィート、速度200ノットで着陸する飛行場に向かっています。

まず速度が300ノット以下になっていることを確認してから[G]キーを押すか左コンソールのギアハンドルをクリックしてランディングギアを展開します。ギアが展開されるとギアハンドルの上にある3つのランディングポジションライトが緑色に点灯します。

速度を160ノットほどまで落とします。速度を落とすにはスロットルを絞ったりエアブレーキ[B]を使用します。速度が160ノットほどになったらこの速度を維持したまま水平飛行します。この時のスロットル位置はRPM84%か燃料流量2300ポンド毎時を目安にし微調整します。

飛行場に近付くと2本の滑走路が見えてきます。この訓練ではどちらに着陸してもかまいませんが着陸する滑走路には真っ直ぐ進入しなければなりません。任務開始時には機は進入路から左にずれた位置にいるためこれを修正する必要があります。
進入路(水平方向)を修正するにはフライトパスマーカー(以下FPM)を目標の滑走路よりも右側に来る様に針路を変えそのまま直進します。そして目視でその滑走路の中心線が垂直な一直線に見えるような位置まで来たら再び針路を滑走路に向けます。その後も必要に応じて水平方向を微調整します。

水平飛行で接近を続け滑走路の端が-3°(0°と-5°のピッチラインの中間よりやや下)ほどに見える位置まで来たら降下を始めます。降下はFPMが滑走路の一番手前端(黒っぽくなっている部分)と重なるように機首を下げます。降下中は速度が160ノットを超えないようスロットルをやや絞ります(燃料流量2000ポンドほど)。
その後も降下中はスティックとスロットルを微調整してFPMが滑走路端を指し速度が160ノットほどを維持するようにします。この時の降下角と速度が適性であればAOAは11°となっているはずです。


滑走路の一番手前の黒く見える部分にフライトパスマーカーを合わせる。

滑走路がほとんど目の前まで見えて来て高度が100フィートを切ったらFPMが滑走路の中央を指すようややスティックを引きます。これはフレアと呼ばれる降下率を低くするための操作で、あとは接地するまでこの姿勢を維持します。FPMが0°のピッチラインに近いほど降下率が低いと言えますが、引き起こしすぎて上昇したり失速したりしないよう注意します。

機が接地するとタイヤが擦れる音が聞こえてきます。接地が上手く行けば機体はそのまま滑走路上を走り続けますがここで安心して手を休めてはいけません。


見事タッチダウン!しかしこれで着陸が終わったわけではない。

接地後も機首を10°ほどに上げ続けなければなりません。これには2つの理由があり1つは機体の空気抵抗を大きくして速度を落すのが目的であることと、もう1つは高い速度でノーズギア(前脚)を接地させるとやはり衝撃に耐えられず破損してしまうからです。

スロットルをアイドル(最小位置)まで絞り、速度が100ノットを切ったらスティックを戻してノーズギアも接地させます。
その後も機は滑走を続けますが機を完全に停止させるには[K]キーを押してホイールブレーキをかけます。

ATC
以上の訓練は着陸作業のうち最終進入だけですがキャンペーンなどではそれより先、基地に接近するところからが着陸の開始となります。キャンペーンでは基地周辺の空域には出撃・着陸中の友軍機がたくさんいます。そのような中でもし自分勝手に着陸しようとすると他の航空機と衝突する危険があります。そのため着陸は管制塔のATC(Air Traffic Control,航空管制)に従って行わねばなりません。ATCは離陸・着陸しようとする編隊の滑走路を使用する順番を割り当て、各機がその順番通りに滑走路に到達するよう各機を誘導します。特に着陸中の航空機に対してはお互いが衝突しないよう適切な間隔を開けて進入路を飛行するように各機に指示を出します。

ミッションの目的を達成して基地へ向かいます。基地との距離が30nm以内になったら管制塔ラジオコマンドから着陸接近中を知らせる"INBOUND"を送信します。すると管制塔から応答があるので、これ以降は管制塔の指示に沿って飛行します。なお管制塔は他の航空機にも誘導指示を出しているので自機のコールサインを間違いなく聞き取るようにします(他の航空機の管制に乗らないように)。

まだ基地との距離があると“Continue inboud”と指示があります。これはそのまま接近を続けよとの指示なので特に速度や向きを変える必要はありませんが、最終進入は高度2,000ftほどから開始されるのであまりにも高々度を飛行している場合には早めに高度を落しておいたほうが良いでしょう。
着陸順が決まるまでは"Take spacing"と言われます。滑走路が混雑していると"Take spacing"が長く続くときがあります。もし燃料が残り少なく上空で待機する余裕が無いときには管制塔ラジオコマンドから“DECLARING AN EMERGENCY”を送信すれば最優先で着陸できるようにしてくれますが、自機が着陸を終えるまでその飛行場は“麻痺”することになるので乱用すべきはありません。

着陸進入路が近付くと管制塔からは“Maintain two three zero knots.”のような指示があります。これは“速度230ノットを維持せよ”との意味なので速度を230ノットに調整します。さらに“Turn right heading one one five.”と付け加えられたなら飛行方向を115°に合わせます。以降最終進入まで同様の指示が続くのでその都度速度・方向・高度を調整します。なお飛行高度は最終進入まで2,000フィートを維持します(これも指示される)。

そして"Turn left final approach course two six zero. Check approach speed."と指示があったら最終進入となります。これ以降の手順は上の訓練と同じですが、接地後は後続機に追突されないようすぐに停止しないで滑走路の終端近くまで滑走を続けるか途中に誘導路があればそちらに曲がります。管制塔からは早く滑走路を開けるよう指示があるのでなるべく早く誘導路に入るようにします。また自分も先行機に追突しないよう前方はしっかり確認します。特に接地の際は滑走路上に航空機がいないか自分の目で確認する必要があります(管制に従っていてもたまにいるときがある)。

ILS
訓練では滑走路の進入方向や-3°の進入角度を目測で行いましたが、ILS(Insturument Landing System,計器着陸システム)を使用すると正確な進入路を知ることが出来ます。特に夜間や(FALCON4.0ではありませんが)霧などの悪天候下での着陸には大きな助けとなります。
ILSを使用するにはHUD左下に"ILS"と表示されるまで[\]キーを押します。するとHUDにはILSバーと呼ばれる目盛りのついた垂直線と水平線が現れます。次にHSIの左にあるINSTR MODEノブをNAV/ILSに切り換えます。このときステアポイントは着陸先の基地が選択されていないといけません。

最終進入になったらILSバーとFPMに注目します。適正な進入状態は垂直・水平の2本の線がお互い中心で交差し、なおかつその交差しているところにFPMも重なっている状態です。


この場合は水平位置は適正だが垂直位置は高いことを示している。
FPMは滑走路端にあっているが一時的にやや手前にあわせて修正する。

もし水平線が上によっていたら進入位置(高度)が低いことを示しています。この場合は速度を落さないよう注意しながらやや機首を引き起こし適正な位置に来るまで降下を緩めます。垂直線の方が左右にずれている場合は線が中心に来るまでその方向に機首を向けます。FPMがILSバーの交点と重なっていないと進入位置がその方向にずれてしまうのでスティックとスロットルをうまく調整して適正な進入状態を維持するようにします。

なおILSバーはADIにも表示されるのでもしHUDが故障した場合にはこちらを参照します。