Special Report - 26 June 2000
3Dfx Voodoo5 5500 AGP

3Dfxの新ビデオカードVoodoo5 5500を導入しました。3Dfx Voodooは古くからゲーマー必須アイテムとも言われ、私も過去にVoodoo、Voodoo Bansheeと使用していました。しかし最近はnVidiaの攻勢に圧され3Dfx自体の先行きが不安となっている中、巻き返しを図るべく投入されたのが新チップVSA-100を搭載するVoodoo4およびVoodoo5シリーズです。Voodoo5 5500についてはハード・ゲーム系の本やウェブサイトで取り上げられているので今更説明する必要も無いでしょうが、3Dfxの新チップVSA-100を2個搭載し、1枚のカードでVoodoo2 2枚挿しと同様のSLIを行い高速処理を可能にしています。機能的には32bitレンダリング、T-Bufferによるシネマ効果、3Dfx独自のFXT1およびMicrosoftのDXTCテクスチャ圧縮など様々ありますが、最も注目されるのはハードウェアによるフルシーン・アンチエイリアシング(FSAA)でしょう。
既にいろいろなサイトで様々な形でレビューされているでしょうが、ここではベンチマーク結果とフライトシムを動かした様子を報告します。

上は前任の3D Blaster RIVA TNT2 Ultra AGP、下がVoodoo5 5500 AGP。Voodoo5 5500には冷却ファンのついたVSA-100チップが2個搭載されています。見ての通り面積にして3DBlasterの2倍はある巨大なカードで私のミドルタワーケースにもぎりぎりで収まったほど。TV出力は無し。製品表記は64MBカードとなっていますが2つのチップそれぞれに32MBずつ専用に割り当てられているので機能的には32MBのカードと言った方が正確。電源はAGPからの供給では足りないので内部電源コネクタを接続します。なお4チップ搭載のVoodoo5 6000では内部電源からでも足りないので外付けの電源アダプターを使用することになります。なお現在はドライバがまだWindows2000には対応してません。

ベンチマーク
とりあえずお約束でベンチマークソフトを走らせてみました。結果はこちらを見てください。なおベンチマークソフトはフレームレートのみしか評価材料とされないのでFSAAは無効にしています。
結果を見ると3DMark2000、3DMark99Max、FinalRealityともトータルスコアではRIVA TNT2 Ultraより幾分上がった程度でした(逆に考えればTNT2Uも最新カードに比べ遜色無いとも言えます)。各テストの詳細を見ると売り文句通りFillrateの高さは驚異的です。他のテストも概ね高い値を出しています。気になるのは3DMark2000のGame1,2ともHigh DetailでTNT2Uに逆転されています。3DMark99のGame2もやはりTNT2Uより低い値が出ています。共にCPU Speedの値も低くなっていることからドライバのCPU負荷が高いのでしょうか。3DMark99の32MBTextureRenderingSpeedが極端に悪くなっていますが、3DMark2000では64MBでも高い値が出ているので3DMark99の同テストがVoodoo5に合ってないのでしょう。FinalRealityは最新ビデオカードのベンチマークとしては水準が低すぎるので参考までに。
以上は16bitモードでの話でしたが3DMark2000の1024x768x32bit(32bitテクスチャ)でテストした場合はTNT2Uが2,428(3DMark)、Voodoo5は3,224(3DMark)と大きく差が開いたことを付け加えておきます。

フライトシム
ベンチマークの数値がどんなに良くても実際のゲームで効果が無ければ意味がありません。そこで実際にフライトシムで使用したときのフレームレート、そしてFSAAを有効にしたときの見た目の変化を見てみました。

<FALCON4>
このゲームはGlideに最適化されて作られているようでVoodoo Banshee/GlideからTNT2U/D3Dに換えたときはフレームレートが下がってしまいました。なのでVoodoo5/Glideなら当然フレームレートはTNT2U/D3Dより高くなるのは予想でき、結果はやはりその通りでした。ただし激増とはならず、おそらく描画以外の処理で頭打ちになっているものと思われます。
そしてFSAAの効果を試してみました。普段良く使うのは1024x768でこの解像度ならジャギーをあまり気にすることはありませんでしたが、実際にFSAA無しと有りの画面を比べるとこれくらいの高解像度でもFSAAの効果が高いことに驚かされます。BMPのスクリーンショットを参照できるようにしてありますが、これを見ると特に垂直尾翼や兵装あたりに目立つジャギーが綺麗に処理されていることがわかります。また遠くの山と空の境界でも処理がさて階段のようだった山も自然な感じに仕上げられています。
FSAA使用で気になるフレームレートの低下ですが、このゲームではOFFのときとほとんど変わりませんでした。先に書いたとおりおそらく描画以外の処理が重いためにビデオカードのレンダリング速度が落ちても影響が表れなかったものと思われます。
FSAA効果比較スクリーンショット(BMP/LZH圧縮 538k)

<Jane's F/A-18>
プレイした方ならおわかりでしょうがこのゲームは1024x768でもジャギーが非常に目立ってプレイ中とても気なります。そのためFSAAの効果を一番期待するゲームです。
今回は800x600で試しました。結果はとても感動的(笑)なものでした。同じくBMPスクリーンショットを上げてありますが、ここまで変わるものかというくらいに変わります。フレームレートはほとんど変わりません(元々重いわけですが)。これもFALOCN4と同じく他の処理が重いがためにレンダリング速度の低下が表面化しなかったのでしょう。
FSAA効果比較スクリーンショット(BMP/LZH圧縮 441k)

<Jane's USAF>
このゲームはもとから快適なフレームレートなのでいきなりFSAAありで試したのですが、ゲームが始まったとたん画面がコマ送り状態になってしまいました。このときの画面設定は1024x768x32bit。FSAAをOFFに戻したらこれまでに無いくらいの滑らかさで動いたのでFSAA有効時のレンダリング速度低下がはっきりと表れた形となりました。このあと1024x768x16bitでFSAAを試すと快適に動いたのでFALCON4とF/A-18も16bitだったことを考えると1024x768x32bitではFSAA処理の負担が高いのでしょう。なので32bitフルカラーのほうを重視するならFSAAを使用せずに1280x1024の高解像度(SRMが誘導しないバグがありますが...)でプレイし、FSAAを使用したいなら1024x768x16bitでプレイするのが良さそうです。


アンチエイリアシングされていますがこれはF22TAWではなくF22ADFのスクリーンショット(640x400)です。
TAWのアンチエイリアシングは機体にしか使用されなかったのに対し、
この場合は他の全てのオブジェクト・地形に対しても処理がされています。

総評
買いです。ただまだ出たばかりで値段が高い(実勢価格35,000〜37,000円)のですが、ソフトが対応していないと意味が無いハードウェアT&Lと異なりFSAAは古いものも含め全てのDirect3D/Glide/OpenGL対応ソフトに効果があるので買ってすぐに投資効果が得られるは大変大きなメリットだと思います。さらにGlideも使えることから古いゲームに多いGlide専用・対応ソフトで使えるのも見逃せない利点で、特に未だに多いFALCON4プレイヤーにはお勧めアイテムと言えます。

関連URL
3Dfxサイト
http://www.3dfx.com/

AKIBA PC Hotline! HotHot REVIEW “NVIDIAの勢いを止められるか!? Voodoo5 5500登場”
http://www.watch.impress.co.jp/pc/docs/article/20000616/hotrev65.htm