NaturalPoint
TrackIR2
第1回 『世界征服、不老長寿、HMDはフライトシマーの3大野望』
VRシステムは欲しいけど…
最近のPC用フライトシムは3Dコックピットが標準的となってコックピット内で自由に視点が動かせるようになりました。通常は視線はマウスやジョイスティックのハットスイッチ等で動かしPC用ディスプレイに映し出すわけですが、これをHTS(ヘッドトラッキングセンサー)で検知した頭の動きで視線を動かしHMD(ヘッド・マウント・ディスプレイ)に画像を映し出すようにすればあたかも本当にコックピットの中にいるかのような仮想現実空間でプレイできることになり、フライトシムプレイヤーなら誰もがあこがれるゲーム環境だと思います。しかしHMDもHTSもPC用のものはそれぞれが高価で揃えるとなると数10万円という世界なので簡単には購入できないのが実状です。
PS2用ではPUD-J5AというHTS付きHMDが6万円という比較的低価格で昨年より発売されています。発売当時はPCより先にゲーム機の世界でVR時代到来か?と期待したのですが、実際これを使って『エナジーエアフォース』『同aim Strike!』をプレイしてみましたが、ディスプレイの解像度が低くて計器がぜんぜん読めずゲームになりませんでした。ゲーム側の方にもHMD使用の際は文字を大きくするとか対応の仕方もあるんでしょうが、HTの方はまぁまぁなだけにディスプレイが惜しいなぁ…
HMDでVR空間の中に入るまでしなくても、せめて視線移動だけでも手を使わずに頭の動きで行えたら良いのになぁと、特に両手の動きが忙しいドッグファイト中は誰も痛感するところでしょう。
まさにそんな要望に答えるデバイスの1つが今回紹介するTrackIR2です。
TrackIRって何よ?
TrackIRは頭の動きを感知するヘッド・トラッキング・センサーです。TrackIRは赤外線ライト(LED)で赤外線を照射し、それが人の頭に取り付けられたマーカーで反射されて来るのを赤外線カメラで感知してその位置の変化から頭の動きを読み取りるという、赤外線式モーションキャプチャシステムと同じ方式を用いてます。TrackIR“2”は初代TrackIRの改良型で赤外線の感知頻度が毎秒60フレームから毎秒100フレームに向上しています。
問題の価格はTrackIR2で$129(14,000円ほど)とジョイスティック並です。
今回私が購入する切欠となったのは『LockOn ModernAirCombat』のパッケージに同梱されていた$30引きクーポンで、これを利用してメーカーサイトから直接購入したところ
本体 129.00 送料 44.95 クーポン -30.00 --------------- 合計 $143.95為替レートを1ドル=108円とすると15547円(実際はカード会社の決めたレートになりますが)となり、日本の代理店で買うより安く入手できます。メーカー直接なので在庫の方も大丈夫だろうと思いましたが、私が注文したときにはLOMAC発売直後とクリスマス前の影響なのか在庫が無いらしく、発送までに1週間かかりました。ただ発送されると2営業日ほどで届きます。
ゲームの中に頭を入れよTM
箱ではなくアスロンCPUのようなブリスターパッケージ。大きさはアスロンのそれよりやや大きいくらい。
フライトシム以外にも使えそうなデバイスだとは思いますが、パッケージデザインと対応ソフトを見るとほとんど対象はフライトシムプレイヤーといった感じです。
パッケージ内容はTrackIR2本体とソフトウェアCD、シール状になってる26枚の反射"ドット"。
CD-ROMとの比較で判る通りTrackIR2本体は小さなものです。
PCに接続する前にソフトウェアを先にインストールしておく必要があります。
ケーブルをPCのUSBコネクタに接続し、ソフトを起動するとTrackIR2に電源が入ります。
センサーが反射された赤外線を感知すると中央上のLEDが赤から緑に変わります。動作モードがEnhancedのときには本体下面の青LEDが光ります。
この写真で4つ赤く光って見えるのが赤外線LEDですが、赤外線は当然可視光線ではないので人間の目には光っては見えません。デジカメのCCD越しだとこのように見えます。
2つの動作モード
TrackIRには2つの動作モードがあります。1つはMouseEmulationモードで、これは頭の動きでマウスカーソルを動かすモードです。これにより特にTrackIRに対応していなくてもマウスで視線を動かせるゲームであれば頭の動きで視線を動かすことができます。ただしゲームにより向き不向きがあるのと、マウスの移動範囲や感知された動きの誤差等でセンターがどんどんずれていってしまうので頻繁にセンターを修正しなければなりません。また頭の動きとカーソル移動量の比率は一定(リニア)にしかできません。
もう1つはEnhancedモード。Absolute(絶対)モードとも呼ばれることからわかる通りTrackIRから見えるドットの位置をデータとします。移動量を蓄積するMouseEmulationと異なり、頭をどんなに動かしても頭(ドット)の絶対的な位置がデータとなっているのでセンターの狂いが起こり難いのが特徴です。またこのモードではセンター位置からの変位と出力値の比率をリニア以外にもすることができます。これは正面の計器板を見るときは視線をあまり動かしたくないが後ろを振り向くときは素早く視線移動したいといった場合に利用されます。ただしこのモードはTrackIRネイティブな出力となるためゲーム側がこのモードに対応している必要があります。
公式サイトによると現在このモードに対応しているゲームは
さて実際にゲームで使ってみた感想はと言うと・・・もう書いてる時間無いのでまた次回〜。
関連URL
TrackIR公式サイト : http://www.trackir.com/
開発元NaturalPoint : http://www.naturalpoint.com/
紹介記事(ASCII24) : http://akiba.ascii24.com/akiba/news/2003/12/13/647370-000.html