Republic
F-84G THUNDERJET
TAMIYA 1:72
新製品Get!
今月(6月)発売されたばかりの1/72のF-84Gを無事買うことが出来ました。と言うのもスカイレイのところで書いてあるように前回72スカイレイが発売日に買わなかったために暫く入手できなかったということがあったためです。
せっかくの新製品なのでストックに積まずに早速作ることにします。
F-84について
F-84サンダージェットはP-80に続くアメリカ空軍の2番目の実用ジェット戦闘機で、試作機XP-48が初飛行したのは1946年2月28日のことです。そのデザインはレシプロ機のエンジンをジェットにしただけのような感じで、同じ直線翼でも胴体側面にインテイクを配置したP-80よりも保守的なスタイルをしています。
最初の量産型のB型に始まりC,D,Eと改良され、後退翼のF型はほぼ別機となり、G型は直線翼F-84の最終型です。G型の特徴はエンジンの強化の他、強化型キャノピー、空中受油装置を装備し、核攻撃も可能な戦闘爆撃機となっていてTACだけでなくSAC(戦略空軍)にも採用されました。
朝鮮戦争では空対空戦闘がF-86vsMiG-15という後退翼機同士の戦いとなってしまったため、直線翼のF-84は主に対地攻撃で活躍しました。
傑作キット再び!?
前作F4Dスカイレイ同様1/48からのスケールダウン版です。その72スカイレイがかなり高い評判を受けているだけに今回のF-84Gも期待されるところです。
まず箱を開ける前に気付くのが価格が\1,000だと言うことです。スカイレイより\100円高くなったわけですが箱を開けて内容を見ればそれも納得がいきます。
作りやすさを考慮して可能な限りパーツを一体化し、パーツ数が少なく抑えられています。モールドはスカイレイ同様にパネルライン等は凹ですが部分的にパネルを浮き立たせてメリハリが付けられています。
パーツ数が少なくなるよう工夫されていて、モールドも相変わらず奇麗。
製作
全体のパーツ数が少ないキットながらコックピットにはそのうちの多くが割かれています。
射出座席はシート部分と肘掛け、ヘッドレスト、レールにパーツ分けされています。さらにシートベルトのデカールが付いていて、私は使ってみましたが立体感がないためいかにも“絵”という感じが否めず、シートベルトを自作しない人向けに用意されてる感じです。
組んだシートとスティック、計器盤、ラダーペダルをサイドコンソールと一体になったフロアパーツに取り付けます。胴体に取りつけた後には照準器も付きます。
サイドコンソールはモールドで表現され、計器盤はモールドもされていますが中央部の主要な計器のデカールも用意されています。塗装はコンソールが半艶の黒である以外は全体的にグリーンとなっていて、インストではただのグリーンと指定されていますが私はフィールドグリーンを使いました。40年代のジェット戦闘機だけあって、コックピットにもまだ大戦機の雰囲気が漂っています。
フロアにシートとスティックを取り付けたところ。
さらに計器盤とラダーペダル、照準器が付きます。
コックピット、前脚納庫、排気ノズルを左右に分割された胴体に挟み込みます。インストには前脚納庫内に2gの重りを入れるように指示されていますが、この部分にはあまりスペースが無く、不安なのでコックピットフロアの下にも重りを追加しました。かなりテイルヘビーがちなキットらしく、キットには重りを入れない場合に機体後部を支えるための透明な支柱パーツが用意されています。う〜ん、親切。
機首上部の点検ハッチは実機同様に開くようになっていて、内部にはM3 12.7mm機関銃の砲身と弾倉、電子機器モジュールなどが再現されています。ただし開閉選択式で、閉じる場合は内部のパーツは取り外します。ヒンジ部分を削ればパーツを載せたままでもハッチを閉じられますが、閉じるならここを貴重な重りスペースに利用する方が良さそうです。私はフォルム重視と言うことで閉じることにしました。閉じたハッチと胴体との合いは悪くはありませんが、多少のペーパー掛けは必要みたいです。
このキットの売りでもある機首内部装備の再現。閉じるのがもったいない!?
主翼は動翼が一体となっていて、さらに翼端燃料タンクまでもが一体となっています。さらに正しい上反角で胴体に取り付けられるよう工夫がされています。
胴体下面には穴明きのダイブブレーキが別パーツとなっていますが閉状態にしかできません。56個ある穴をピンバイスで開口しましたが、かけた手間ほど見栄えが良くなるわけでもないので塗装だけで済ませた方が良かったかも。
脚回りはランディングライトがクリアパーツで再現され、特に問題もなく良く出来ています。ただ脚柱や扉の押し出しピンの跡が結構目立つので埋めるなり削るなりして目立たなくさせます。各脚の収納庫の内壁はMr.カラーの27に6を少量加えたもので塗装しました。
ウィンドシールド、キャノピーなどのクリアパーツも合いが良く、歪みが無く透明度も高くて非常に奇麗です。キャノピーはG型ということで枠の多いタイプとなっています。
全体的にパーツ同士の合いが良く問題はありませんが、左右胴体の合わせ目に僅かな隙間が出来てしまったのでここは瞬着で埋め、ペーパー掛けした部分は目の細かいペーパーで表面を整えるだけにします。これでスカイレイのとき同様、パテ使用0と言うことでサフ吹きは省略。サフを吹いたら埋まってしまうリベットが出てきそうなので吹かないで済むならそれに越したことはないと思います。
(06/28)
塗装は缶スプレーで銀色を全体にバーッと吹いてお終い...ってだけはちょっと物足りない感じです。
実機は銀塗装ではなく当時の空軍機標準の無塗装です。むき出しの金属地肌は写真で見ると同じ銀色でもパネルによっては色が違う部分があります。機体によっても異なりますがだいたいF-84Gの場合はコックピット横、中間、最後部のパネルが他より暗い感じになっているものが多いようで、キットの箱に出ている作例の写真もだいたいそれにあわせている感じです。
私は全体の銀塗装のあとからXB-70製作のときに作っておいたMr.カラーの8と27を混合したものを該当するパネルに塗りました。
むむ、少々コントラストが強すぎたか...
で、実際塗ってみると思った以上にコントラストがついてしまいました。実機の写真でもこれくらい黒っぽく見えるものあるのですが、プラモデルだと材質の違いと言うよりこうゆう塗装がされているようにも見えてしまいます。そこで上から薄く溶いた銀色をオーバースプレーして少し明るくしました。さらに動翼を銀、白、グレイの混色で塗り分けました。
あとは防眩塗装のオリーブドラブを塗ってお終いなのですが、銀の塗り分けの上に貼るマスキングテープは1度使ったものや手に貼りつけるなどして粘着力を落して置かないと剥がすときに塗装が持っていかれます。私は気を付けていたのですがそれでも2個所ほどやってしまい、剥がれた部分を再度塗り直すという二度手間をかけてしまいました。この場合は先にオリーブドラブを塗った方が安全だったかもしれません。
デカールはSACの508SFWとTACの58FBSの2機分がセットされています。私は前者を選択。デカール自体は薄く凹凸にもフィットしやすいのですが、大面積のものは曲面に馴染ませるのに少々苦労します。私はマークソフターを使いながら馴染ませましたが、元々薄いデカールなので使用には注意を要します。写真を見ると注意書きのステンシルは部隊マーキングの上に書かれているようなので、デカールも注意書きは後に貼るようにしないと大失敗します。
目が痛くなるくらい派手なのは58thFBSのマーキング。
アクセサリーは主翼下のパイロンに燃料タンクか500ポンド爆弾を搭載できます。さらに後部胴体側面には離陸補助ロケット(RATO)が取り付けられます。燃料タンク先端のクリアパーツはタンク部分とラインが連続してないので接着後ペーパー掛けして修正します(翼端タンクも同様)。
完成
先のスカイレイより凝ってる分やや作るのが難しくなった感じはしますが、それでも他のキットに比べれば簡単で誰にでも奇麗に完成品を作ることができると思います。最近のタミヤの“簡単、親切、安価、高品質”路線は、最近のキットの高価複雑化で初心者や低年齢層がプラモデルから離れてしまうのを危惧したものなのでしょう。今後もこの調子で4,50年代のジェット機のキット化を続けて欲しいものです。
ずんぐりした胴体はリパブリック社の前作P-47ゆずりでしょうか。
左翼前縁付け根近くにはフライングブーム式の空中受油口があります。
翼端のタンクを除けば主翼の平面形は大戦機のそれそのもの。
胴体後部、国籍マークの右下に見えるのがRATO(JATO)で、
離陸時の滑走距離の短縮や燃料の節約のために使われます。
主脚扉と前脚柱に付いているランディングライトがなかなか良い感じ。
固定武装の12.7mm機銃は機首に4挺、主翼内に2挺の計6挺。
インテイク内には射撃用の測距レーダーが搭載されています。
(07/05)
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