CARRIER LANDING
着艦

着艦システム
空母からの作戦の最後には必ず空母への着艦という大仕事が残されています。
短い飛行甲板上に着艦するため、艦上機には頑丈なフックが装備され、これを甲板上のアレスティング・ワイヤーに引っ掛けて半ば強引に機体を停止させます。
また陸上機がソフトランディングするため接地の寸前に機首を起こし(フレアー)降下率を抑えるのに対し、着艦では確実にワイヤーを捉えるためにアプローチ時の姿勢のまま機体を甲板に打ち付けるようにして接地を行ないます。そのため艦上機のランディングギアは陸上機のそれよりも頑丈に出来ています。ただしランディングギアや甲板側の強度にも限界があるので、着艦時の機体総重量は厳しく制限されています。

現代の正規空母にはアングルドデッキが装備されています。これは艦のセンターラインに対して角度を付けられた“もう1つの”デッキを設けることで、空母上で発艦と着艦を安全に平行して行なえるようにしたもので、着艦はこのアングルドデッキで行ないます。そのためアプローチは艦の真後ろからではなく、角度が付いている分右側から進入することになります。このゲームで母艦となるCVN76の場合は10°のアングルが付いているので、艦首が真北0°を向いているときは、進入は真後ろ180°からではなく170°から行なうことになり、機体は350°を向いてアプローチすることになります。さらに留意すべき点は空母が前進しているとアングルドデッキは常に右へ右へとずれて行くので、アプローチも接地の直前まではデッキよりやや右側を目指すようにします。


ALCS(自動着艦システム)を使えば着艦は楽に出来てしまいます。
手動着艦の訓練をする前にALCSの着艦を手本としておくと良いでしょう。

このように空母への着艦は着陸以上に特殊で難しく、かなりの訓練を必要とします。しかし幸いなことにこのF/A-18EにはACLS(自動着艦システム)が搭載されているので、このシステムが機能している限りパイロットは手放しでも空母に降りることができるようになっています。

マーシャル
作戦を終えて空母に向かう途中、空母との距離が100nm以内でまずタワーとの通信メニューから“INBOUND”で接近中であることをあらかじめ知らせておきます。
そして距離が50nmを切ったら再びタワーとの交信メニューから“REQUEST LANDING”をコールします。すると空母からはまずマーシャルと呼ばれる待機空域での周回飛行を行なうよう指示がされます。
MARSHAL ON THE 170 RADIAL, TWENTY-ONE MILES, ANGELS 6
は空母より方位170°、距離21nm、高度6,000ftでマーシャルせよと言うことです。指定されたポイントに着いたら、アプローチ許可がでるまで周回飛行を続けます。
EXPECTED APPROCH TIME 16. TIME NOW 7.
はアプローチが許可される予想時刻と現在の時刻を分のみで知らせています。この場合現在時刻が12:07分であれば後12:16までの9分間待たねばならないということです。着艦待ちの機体が多いと長い時間暫く待たされることもあるので、周回飛行する際はオートパイロットでBALTとROLLを固定しておくと良いでしょう。
また着艦を行なう前にはMDIのFPASページで機体総重量をチェックし、F/A-18Eの最大トラップ(着艦)重量46,000ポンドより重い場合は余分な武装や燃料を投棄しておきます。

アプローチ
COMMENCE NOW
という指示を受けたら空母へアプローチを開始します。
空母までの距離が10nmになるまでに、高度を1200フィート、速度を250ノットにまで下げておきます。
距離が10nmほどになったら[G]キーを押してギアを下ろし、[F]キーでフラップをフルダウンにし、さらに[T]キーを押してフックを下げます。
[L]キーを押すとHUDがILSモードとなるので、縦・横2本の線がベロシティーベクターと重なるよう針路を調整します。


ギアダウン、フラップダウン、フックダウンのオールダウン状態にする。

空母までの距離が5nmになると空母からは
FIVE MILES, A C L S LOCK-ON, CALL YOUR NEDDLES
と指示があります。これは空母側のACLSレーダーが機体を捉えたので、機体側のALCSを作動させよという指示です。ここで[A]キーを押せば、後は接地するまでパイロットは機体の操作をしなくて良くなります。

手動で着艦を行なう場合は速度計とHUD左横にあるAOAインデクサーを見ながら、速度は(最終的に)135ノット、AOAは7.4〜8.8°を維持するようにします。まずはスピードが135ktになるようスロットル(急減速する場合はエアブレーキ[S])で調整し、次にAOAを調整すると良いでしょう。AOAが小さいときはスティックを引いて機首をやや上げ、大きいときは機首を下げます。機首を上げ下げすることで再び速度が変化するのでこれをまたスロットルで調整するというように、接地するまでは常にこの微調整を続けなければなりません。


AOA indexerの点灯と飛行状態
AOAは9.3°以上
機首を上げ過ぎか、速度が遅過ぎる。
AOAは8.8〜9.3°
適正。AOA7.4〜8.8°
速度が135ktであれば理想のアプローチ状態。
AOAは6.9〜7.4°
AOAは6.9°以下
機首を下げ過ぎか、速度が早過ぎる。

接地
距離が3/4nmになると空母からは
THREE QUARTERS OF A MILE, CALL THE BALL
と指示があります。これは空母左舷に設置されているIFLOLSと呼ばれるインジケーターが見えたらBALLをコールせよということです。しかしPCの画面ではこれをっきり見ることは出来ないので、見えなくてもとりあえず[Ctrl]+[B]を押して“CALL BALL”すれば画面にIFLOLSポップアップディスプレイが表示され、IFLOLSが拡大表示されるようになっています。なおIFLOLSが見えないときは“CLARA”をコールします。
手動で着艦させる場合はこのIFLOLSのライトとLSO(着艦信号士官)からの無線による指示を助けに機体を操縦します。機体が適正なグライドスロープ上にある場合はIFLOLS中央の黄色いライト“BALL”が横一列に並んだ緑色と同じ高さに見えます。もしボールが緑色のライトより上に見える場合は機体の高度が高く、逆に下に見える場合は機体の高度が低いことを示しています。左右のずれはLSOの指示と自分の目でアングルドデッキに引いてあるラインを見て修正します。

IFLOLSの見え方とその意味
グライドスロープよりやや高い。
高度を少し下げよ。
適正。
その状態でアプローチを続けよ。
低過ぎる。
さらにウェーブオフ灯が点灯。
着艦を中止してやり直せ。

そしていよいよ接地となるのですが、その前にIFLOSのウェブーオフ灯が点灯し、LSOからWAVE OFF!と言われたらウェーブオフ、つまりもう適正な接地は不可能なので着艦を中断せよという指示なので、パワーを上げて上昇し着艦をやり直すことになります。
フックを引っ掛けるためにはデッキ上の4本のワイヤーが張られている部分に接地しなければなりません。そのためにはHUDのベロシティーベクターがこのあたりを狙うようにします。

機体が接地したらすぐにスロットルをフルミリタリーパワーまで上げます(ACLSを使用している場合でも)。これはフックがワイヤーに引っかからなかった場合でも再び甲板から飛びたてるよう加速するためです。もし上手くワイヤーを捉えたなら機体は加速することなく甲板上で停止させられます。機体が停止したらパワーをアイドルに戻します。以降の機体操作は自動的に行われ着艦は終了です。


見事ワイヤーを捉え機体は甲板上で停止。
自動着艦であっても必ずしもフックを捉えられるとは限らないので、
接地後は必ずボルター(再離艦)に備えパワーを上げておきます。

もしフックがワイヤーに引っかからずに甲板を飛び出してしまったら、失速しないよう再上昇し左に旋回します(右は発艦する他の航空機があるため旋回してはいけません)。以降は再び空母からの管制にしたがって着艦をやり直します。