R.A.W.での戦術

R.A.W.(Raptor Air War)の目標は相手側の基地を全て破壊する事です。逆に相手も味方の基地等を攻撃してくるのでこれらを阻止しなければなりません。戦場には戦闘機以外にもAWACS機とSAMがありそれぞれが重要な役割をしているためこれらを攻撃したり守る事がRAWの勝敗を大きく左右する事になります。
プレイヤーがRAWに参加する時にはFighterかBomberかを選択します。サーバーの設定にもよりますがほとんどの場合FighterにはMRMを含めた対空ミサイルが満載され、Bomberには爆弾が搭載されています。選択時にはその時点での味方のFighter/Bomberのリストが表示されるのでバランスの取れた比率になるよう選ぶのが良いでしょう。

ここではRAWでプレイヤーが行なう事をSAM制圧、基地爆撃、AWACS撃墜、制空の4つに分類します。
戦闘、補給などについてはDeathmatchと基本的に変わりません。索敵・接近もAWACS機が無い場合には全く同じ状態となります。

SAM制圧
攻撃すべき相手の基地のすぐ近くや基地への飛行ルート上にあるSAMサイトは基地爆撃を行なう前に排除しておく必要があります。これらを残しておくと当然Bomberがやられてしまったり、迂回する分相手より遅れをとってしまいます。
SAMサイトを攻撃するにはまずレーダーを見ながらその方向に真っ直ぐ向かいます。SAMの射程内に入る前にレーダーを切っておけばその分SAMからの攻撃を遅らせる事ができます。MiG-29であればIRSTを使うのが良いでしょう。
SAMの射程内に入るとミサイルを発射されるので回避しなければなりません。レーダーを切っていたならここで再びONにします。そしてミサイルを回避したなら(あるいは回避できなかった場合でも飛行可能なら)再びSAMサイトに接近します。

アタックディスプレイを適度にズームし、レーダーサイトの正確な位置を確認する。
SAMの射程範囲を表す大きな円の中心にある小さな円がレーダーサイトの位置。

四角に×のシンボルは爆撃すべき敵の基地。このSAMを破壊しない限りこの基地を安全に爆撃することは出来ない。

ほとんどのSAMサイトは1つのレーダーと4つのミサイルランチャーから構成されています。そのためSAMサイトの機能を停止させるにはレーダーのみを破壊するだけで十分です。通常レーダーは4つのランチャーの中央に位置しています。
SAMの攻撃には爆弾か機銃を用います。しかし近くに基地がある場合には爆弾は基地爆撃にとっておく方が良く、また慣れていれば爆弾よりも確実に破壊できるので機銃掃射に自信が無い場合以外は機銃で攻撃するのが良いでしょう。当然爆弾の無いFighterであればこれが唯一の手段となります。
SAMのレーダーが機銃の射程内に入ったら銃撃します。機銃掃射のコツは速度を落とし降下率も低くすることです。速度を落とせばその分攻撃できる時間が長くなりより多くの命中弾を与えられるうえ気分的にも余裕が生まれます。降下率が高いと速度が上がりやすい上、機首上げが遅くれると地面に激突してしまいます。低い降下率で接近するには低空から接近し、そしてフラップを下げて揚力を高くします。フラップは降下率を下げるだけでなく特に機銃の射線がかなり上を向いているF-16では射線と進行方向との差を少なくするという意味でも必要となります。


矢印で示したのは4つSAMランチャー。その中央にあるレーダーサイトを銃撃する。

あとは目標が破壊されるまでトリガを引き続けます。目標を破壊するかもしくは地面に衝突しそうであればすぐに機首を引き起こし上昇します。SAMサイトのレーダーを破壊すれば自機のレーダーからはそのSAMが消えているはずです。

基地爆撃
RAWの勝利条件は敵基地の破壊であるので当然この爆撃が勝敗に直接関わってきます。
ここで言う“基地”とは敵の飛行場(航空基地)のことではなく、予め設定された爆撃ポイントにある建物群のことで場所によっては1個所に30以上の建物がある場合があります。またマップ(Region)によっては建物ではなく艦船である場合もあります。
Bomberに搭載されている爆弾はF-16であればJDAMとGBU-12、MiG-29ならKAB-500KRとFAB-500で、FAB-500以外はいずれも精密誘導兵器です。しかしRAWのゲーム設定でGPSがOFFになっていると目標がロックされないためJDAMは誘導できなくなります。GBU-12はレーザー誘導爆弾ですが敵の迎撃の厳しいRAWではMFDを覗き込みながらLANTIRNでレーザーを照射する余裕が無いことがほとんどです。そのため精密誘導兵器であっても通常の自由落下爆弾のように誘導無しでも命中させられるように訓練しておくと良いでしょう。
誘導無しで爆弾を確実に命中させるためにはとにかく練習しかありません(もちろん誘導する場合でも練習は必要ですが)。このゲームのCCIP照準は速度による着弾誤差が大きいので水平方向の速度が過大だと外れてしまいます。この水平方向の速度を低くするにはなるべく機首を下に向けて爆弾を投下する(急降下爆撃)か機体の速度自体を低くするようにします。爆弾は4発しかないので1発も無駄にすることのないようにします。


密集しているところを狙えば1発の爆弾で複数の建物を破壊する事が出来る。

爆弾が尽きたら帰還します。しかし機銃でも建物を破壊する事ができるので敵がいなく燃料にも余裕があるのであれば機銃掃射で残っている破壊の破壊を試みるのも良いでしょう。ただしSAMとは違い建物はかなり固いので何度も銃撃を繰り返す必要があります。味方の飛行場が近いのであれば帰還して補給した方が早いかもしれません。

AWACS機撃墜
味方にAWACS機がいると自機のレーダーを使用しなくても全方向の敵の位置を知る事ができます。そのため敵Bomberの接近を確実に捕らえられるため特に防御面で重要であり、また攻撃面でも味方のBomberがレーダーを使わずに敵地に忍び寄ることができるなどの利点があります。
しかしAWACS機を失ってしまうとプレイヤー各自のレーダーだけが探知手段ととなるため守りの薄い場所への敵Bomberの侵入を見逃してしまう恐れがあります。
このようにAWACS機は攻守に非常に重要な役割をしているためRAWの序盤ではこのAWACS機をめぐる争いがよく起ります。AWACS機が撃墜された瞬間、そのチームのメンバー全員のレーダーディスプレイから敵機が消えるため相手に与える心理的ダメージもかなり大きなものとなります。


敵のAWACS機を撃墜し味方のAWACS機を守りに抜くことで戦いを優位に進められる。

アタックディスプレイやマップには敵のAWACS機は紫色、味方のものは黄色の航空機シンボルで表されます。
機動性の低いAWACS機を撃墜することは容易です。しかし当然相手側も警戒はしているのでAWACS機に近付くまでが困難となるでしょう。相手の隙を見て守りの薄いところから回り込むかFighterさらにはBomberも一緒になって集団で強襲作戦を行なうのが良いでしょう。

制空
制空とまとめましたがここには護衛や哨戒(CAP)も含めます。当然これは主にFighterの役目となります。
護衛は爆撃地点に向かうBomberに随行しルート上の敵機を排除もしくは引き付けてBomberの針路を切り開きます。これはBomberと護衛機が連絡を取り合い協調して行動する必要があります。護衛機はFighterが務めるのが望ましいですが複数のBomberが集団でいるときは一部が爆弾を投棄して向かってきた敵機に立ち向かって残りのBomberを先に行かせるようにしても良いでしょう。
哨戒は味方の基地やAWACS機などを守るのが役目です。敵が狙ってきそうな目標付近を哨戒しそれを襲来する敵機を迎撃します。目標を破壊しようとする敵機はこちらの防衛網を突破しようと最高速度で突っ込んでくるのでたとえ命中しなくても速度を落とさせる意味でも繰り返しミサイルを発射する必要があります。そのためこれは搭載ミサイルの少ないBomberには向いていません。
そしてこれら相手の護衛や哨戒に就いている敵機を撃墜したり、逆にこの撃墜しにくる敵機を撃墜するという真の意味で制空と呼ばれる戦闘が発生します。
IBSでのゲームのように多人数でのプレイの場合にはこの制空権の確保が特に重要となります。制空権を確保すれば他のSAM制圧・基地爆撃・AWACS機撃墜が容易になりチームの勝利を確実にすることにもなるのです。


味方と敵の領空の間では絶えず制空権をめぐる激しい戦いが続けられている。