Head Up Display

コックピットの計器類のなかで一番重要なのがHUD:ヘッドアップディスプレイです。ここには機体を操作したり兵器を発射する際に必要な情報のほとんどが映し出されるためコックピット内の他の計器に目を落とすこと無くHUD越しに前方を見続けながらこれらの操作ができるようになっています。

このゲームではコックピット視点からさらに[F1]キーを押すとHUDに視点がズームされ、または[F2]を押すとHUD枠の無いフルHUD視点に切り替わります。このゲームではこのフルHUD視点が視界が広くプレイしやすい上、HUD枠を表示しない分PCの負担も少ないため主に使われることになるでしょう。HUDに表示されている文字は[,][.]で明るさを調整できるのでその時の状況に合わせて見えやすいようにします。

F-16のHUD
F-16のHUD表示は欧米製戦闘機の標準的なものです。他のフライトシムをやったことがある人であれば説明を見なくても記号や数値の意味がわかると思います。
F-16だけの機能として[F9]キーを押すことでLATIRNモードとなり夜間でも赤外線映像を見ながら飛行することが出来ます。

  1. ガンボアサイト:
    機銃が発射される方向を示しています。実際の弾道は重力等の影響で変化するため目標をこのボアサイトに合わせても命中するわけではありません。
  2. ピッチスケール:
    機のピッチ角を示すものです。線は常に水平線と平行になっていて実線は+(上向き)、破線は−(下向き)を示し、線の横の数字がその角度を示しています。上の図の場合は機体はほぼ水平な姿勢で+15°上を向いていることになります。
  3. Gフォース計:
    現在機体にかかっているG(重力)の大きさを示しています。通常機体が水平に飛行している時は1.0Gがかかっていますがスティックを引くとさらに+のGがかかり、逆にスティックを前に倒すと−のGがかかります。過大な+Gはブラックアウト、−Gはレッドアウトを起こす恐れがあります。
  4. 対気速度計:
    機の現在の対気速度を示します。単位はノット(1kt=約1.85km/h)です。
  5. マッハ計:
    機の現在の速度をマッハ数で示します。1.36なら音速の1.36倍ということになります。音速は大気の状態(マッハ計の場合は気圧)によって異なるため同じ対気速度でも地上より高々度のほうがマッハ数は高くなります。
  6. HUDモード:
    現在のHUDモードを示していますです。兵器等を選択した場合にはそれに応じたHUDモードに切り替わります。上の図の場合はNAV:航法モードとなっています。
  7. コンパス:
    機体が現在向いている方位を角度で示します。0を北、90を東、180を南、270を西とした360°で表されます。
  8. 選択兵器:
    現在選択されている兵器の種類とその残数を表示します。上の図では何も選択されていないため空欄となっています。
  9. ステアポイントコメント:
    攻撃地点や着陸進入開始地点など現在選択されているステアポイントに関するコメントが表示されます。
  10. ロールスケール:
    機体の現在のバンク角(左右への傾き)を示しています。
  11. フライトパスマーカー:
    機体が現在向かっている方向を示しています。通常はHUDのほぼ中央を指していますがラダーを踏み込むとその逆方向に、速度が低いとやや下向きに移動します。
  12. 気圧高度計:
    現在の気圧高度を示しています。単位はフィート(1ft=約0.348m)です。気圧高度はほぼ海抜高度に相当します。
  13. レーダー高度計:
    現在のレーダー高度を示しています。レーダー高度は機の真下の地面からの高さで、山岳地帯上空などでは気圧高度との差が大きくなります。低空を飛行する時には主にこちらの高度を参照します。
  14. 危険高度:
    現在設定されている危険高度です。機のレーダー高度がこの値より低くなると警報が鳴ります。
  15. 予想到達残り時間:
    現在選択されているステアポイントへ到達するまでの残り時間を分:秒で示します。
  16. ステアポイント:
    現在選択されていいるステアポイントまでの距離とその番号を示しています。距離の単位は海里(1nm=約1.85km)です。上の図の場合はステアポイント4まであと6nmとなっています。
  17. コマンドステアリングキュー:
    現在選択されているステアポイントの方向を示しています。小さな円から伸びている線が真上を指している時、機はそのステアポイントに真っ直ぐ向かっていることになります。逆に線が下を指している時はステアポイントは機の後方になります。上の図の場合、ステアポイントに向かうには針路を左に45°ほど修正する必要があります。

MiG-29のHUD
MiG-29のHUDも欧米製戦闘機のそれと表示されている内容にそれほど差はないものの、単位が欧米式のマイル、フィート、ノット表示と異なりすべてメートル法で表されています。そのため他のフライトシムに馴染んでいる人にとってはかなり違和感があるかもしれません。

F-16と重複する項目に付いての詳しい記述は省略します。
ターンポイントはF-16でのステアポイントと同意です。

  1. 垂直上昇率計:
    機の現在の上昇率を示します。単位はメートル毎秒です。この数値が−5であれば毎秒5メートルずつ降下していることになります。
  2. 対地高度計:
    機の真下の地面からの高度を示します。単位はメートル(1m=約3.28ft)です。
  3. 対気速度計:
    機の現在の対気速度を示します。単位はキロメートル毎時(1km/h=0.54kt)です。
  4. AOA計:
    機の現在のAOA(機の進行方向に対する機体の仰角)を示します。単位は度(°)です。
  5. コンパス
  6. ターンポイントキュー:
    現在選択されているターンポイントの方向を示しています。カレット(^)が中央にある時、機はターンポイントに真っ直ぐ向かっていることになります。
  7. ピッチラダー:
    機のピッチ角を示します。F-16のものと異なり線は常に機体に平行に表示されています。
  8. ウォーターマーク:機の水平線に対する傾き(バンク)を示します。
  9. フライトパスマーカー
  10. ターンポイント
  11. 選択兵器
  12. 選択目標:
    現在選択されている目標のID、RANGE:距離、VC:接近速度を示します。距離の単位はキロメートル(1km=0.54nm)です。接近速度がマイナスの時は遠ざかっていることを示しています。