千歳基地航空祭

DATE : 2011.08.07

3月に起きた東日本大震災の影響により今シーズンの航空祭は中止・延期が続いていましたが、この千歳基地航空祭より開催されることになりました。
ここ数年は歩哨犬展示がじっくり見られてしまうくらい飛行展示内容に控え目の感があった千歳基地航空祭でしたが、今年はF-15の大編隊が復活し政府専用機が異機種編隊を行うなど充実した内容となっています。
ホームベースの松島基地が被災したものの震災当日は九州新幹線開通イベントで芦屋にいて難を逃れたブルーインパルスもこの千歳が震災後初の公式フライトとなりましたが、未だに松島基地に戻れず十分な訓練ができないためか好天ながら5区分でフライトが行われました。



オープニングフライト冒頭に行われた4機のF-15による慰霊飛行。フィンガーチップ体形から上昇離脱した3番機が天に向かい、震災で無くなった方々の冥福を祈ります。


続いてオープニングの航過飛行。U-125A、F-15×2。


次来る飛行機が見えない・・・と思ってたら予想より低いところから白い巨体が!


大きな政府専用機がローパスから引き起こして上昇。こんなに動く政府専用機もかなり久々な気がします。


震災の救助活動でも活躍が注目された救難隊U-125AとUH-60の飛行展示。救難展示の後に2機のUHで軽く機動。


再び航過飛行。2機のT-4、F-2。


2機のF-15を従えて飛ぶのは里帰りして来た"オジロワシ"302飛行隊のF-4EJ。そしてこのF-4EJ 345号機はこれがラストフライト。続いて2機のF-15編隊。


最後に来た政府専用機は再び迫力のローパスを披露。


ラストフライトを終えたF-4EJ 345号機が着陸。会場に戻ったところでセレモニーが行われました。345号機はこのまま302飛行隊発祥の地であるこの千歳基地の展示機として保存されることになっています。



2機のF-15による機動飛行。かつては千歳の一番のウリだったのにここ数年は燃料節約?という感じの控え目な内容が続いていましたが、今回はまた以前のような迫力あるフライトが戻ってきました。


政府専用機&F-15&U-125Aの異機種編隊飛行。政府専用機が編隊を組んで飛んでる様子は初めて見た気がする。


米空軍F-16の機動飛行。前日のリハーサルでは離陸後トラブルですぐに降りてきてしまったので本番に期待!と思ってたら前日と同じくすぐにトラブル発生で3回ほどパスしただけで降りてきてしまいました…。


昼の休憩を挟んでF-2の機動飛行。こちらは予定通りに行われF-2大勝利!でも前日は単座の555号機で行っていたのが複座の132号機に変更。555号機は航過飛行にも参加しなかったし航空祭終了後も居残っていたのでこちらも機体トラブルかも。


8機のF-15による大編隊。1パスだけでしたが千歳では久々の大編隊。90年代頃は毎年行われていたんですけどねぇ。

そしてブルーインパルス。もし震災の日に九州新幹線開通イベントが予定されていなければ、ブルーインパルスの機体も全機が松島基地の他の航空機と同じように海水に浸かって使用不能となり、復活まで数年を要するような事態になっていたかもしれません。その点では幸運でしたが機体は未だ松島基地に戻ることができておらず、訓練は震災の日にいた芦屋基地で行われています。

そんな困難の中でのブルーインパルスの再スタート。今年1月の那覇基地航空祭以来となる1001回目の公式フライトの始まり。


1〜4番機は1機ずつ順に離陸してから会場正面で集合しダイヤモンドダーティローパス。


ギアダウンのまま離陸する6番機の下から追い越すように5番機がハイスピード&ハイレートで離陸。


ファンブレイク、チェンジオーバーターン。


サンライズ。震災の日から芦屋基地での訓練再開までしばらく間があったのと間借りしている基地のため訓練が十分に出来ていないためか、天候的には1区分が行えそうでしたが前日の予行と同様に5区分となりました。


レベルキューピッド、デルタ360。


スワン、サクラ。


編隊は最後にローリング無しのコンバットブレイクから着陸。


ブルーインパルス震災後初の公式フライトは無事終了。航空祭の飛行展示もこれで終了。


機動飛行を行ったF-16以外の米軍機は岩国から来た米海軍VFA-97のF/A-18Cが2機地上展示されていました。北海道の飛行機ファンには2008年の最後の丘珠航空ページェントの大トリで凄いデモフライトを行った機体として強烈な印象が残っているかと思います。

震災後初の航空祭は天候もまずまずで日本を元気付けるかのような見応えある内容でした。来年以降もこんな感じで続いてくれるといいなぁ。


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